フリーWi-Fiを提供している、もしくはこれから導入を検討している店舗・企業の皆様、
「お客様の個人情報が漏洩するリスクはありませんか?」
「複雑な設定で、お客様がWi-Fiに接続できないと困っていませんか?」
「フリーWi-Fiの運用コストがかさんでいませんか?」
そうした悩みをお持ちではないでしょうか?
従来のフリーWi-Fiでは、セキュリティの脆弱性、煩雑な認証手続き、収益化の難しさなど、様々な課題がありました。
しかし、専用アプライアンスを使った認証方式を活用すれば、これらの課題を解決できます。
この記事では、認証アプライアンスが提供する革新的なWi-Fi認証システムについて、その仕組みから導入メリット、活用事例まで詳しく解説していきます。
Wi-Fiのリニューアルを実現し、ビジネスを成功に導くヒントが満載です。ぜひ最後までお読みください!
この記事のインデックス
業務用Wi-Fiの基本的な設定
ご家庭向けのWi-Fiと業務用のWi-Fiでは、考慮すべき点が異なります。
例えば、業務用Wi-Fiでは、大きく以下の3つの重要なポイントがあります。
- 安心・安全を担保するセキュリティ設定
- 快適な接続のための周波数・チャネル設計
- より多くのユーザーに快適な環境を提供する認証ソリューション
安心・安全を担保するセキュリティ設定
業務用Wi-Fiでは、セキュリティ設定が非常に重要です。
セキュリティ対策を怠ると、お客様の個人情報が漏洩したり、ウイルス感染などの被害に遭う可能性があります。
例えば、パスワード(セキュリティキー)を設定していないWi-Fiの場合、悪意のあるユーザーに通信内容を盗み見られたり、改ざんされたりする危険性があります。 また、ウイルスを拡散させられたり、不正アクセスによってシステムを破壊される可能性もあります。
このようなリスクを避けるため、業務用Wi-Fiでは、必ずセキュリティキーを設定し、WPA2/WPA3などの強力な暗号化方式を採用する必要があります。
Wi-Fiのセキュリティキーには、主に以下の種類があります。
説明 | 特徴 | 推奨度 | |
---|---|---|---|
WEP | 古い規格のセキュリティキー | 暗号化が弱く、解読されやすい | ✕ |
WPA-PSK (TKIP) | WEPの後継規格 | セキュリティが向上し、使用できる機器も多い | △ |
WPA2-PSK (AES) | 現在主流のセキュリティキー | 強固な暗号化方式AESを採用 対応機器が幅広い | ◯ |
WPA3-SAE | 最新のセキュリティキー | より安全性の高い接続が可能。 ただし、対応機器が限定される | ◎ |
現在、主流はWPA2-PSKです。WPA2-PSKは、現在最も安全なセキュリティ規格であり、お客様の個人情報を強力に保護します。また、高速通信に対応しており、快適なインターネット接続を提供できます。より多くの機器で使用できるため、接続できるユーザーも多く、公共施設で最も汎用性が高い方法です。
「では、それだけでいいのでは?なぜ古い規格が混在しているのですか?」
そう感じるかもしれません。しかし、未だに古い規格にしか対応していない機器も現存しており、より幅広いユーザーに使っていただくためには、古い規格も必要だということです。
Wi-Fiを設定する際に、「SSID」**(Wi-Fiのネットワーク名)**を決めるプロセスがあります。その際に、古いユーザー向けのSSIDを設定したり、最新機器をお持ちのユーザー向けのSSIDを設けたりすることで、より幅広いユーザーにより安全な方法で接続していただくことが可能となります。
SSIDを分けて、それぞれに異なるセキュリティ規格を設定することで、古い機器をお持ちのお客様も、最新機器をお持ちのお客様も、安心してWi-Fiに接続できます。例えば、「〇〇_legacy」のようなSSIDで古い規格に対応したWi-Fiを提供し、「〇〇_secure」のようなSSIDでWPA2-PSKに対応したWi-Fiを提供することができます。
快適な接続のための周波数・チャネル設計
Wi-Fiは電波を利用しており、目に見えません。しかし、周波数やチャネルを設計することで、電波の状態を把握し、より安定した通信を実現することができます。
電波とは?
では、そもそも、目に見えない電波とは何でしょうか?
私たちの世界は、電界と磁界でできています。 磁界ではN極とS極が存在し、それらは互いに引き合い、同じ極同士は反発し合います。
電界ではプラス極とマイナス極が存在し、こちらも互いに引き合い、同じ極同士は反発し合います。 電流が流れると必ず周囲には磁界が生じ、磁界が変化すると電流が流れる、といったように電界と磁界はお互いに影響をおよぼしあっています。
この電界と磁界が互いに影響し合いながら空間を光と同じ速さで伝わっていく波のことを「電磁波」と言い、それらを「電波」と呼んでいます。
以下に、周波数による電磁波の分類図を用意しました。(周波数はあくまでも参考程度に御覧ください)
私たちが目で見ることのできる可視光線の範囲は非常に小さく、そしてその波長が極端に短く周波数の高いものが放射線です。主に医療で使われるX(エックス)線を使ったレントゲンなどがあります。X線とγ(ガンマ)線などの周波数がおおよそ3000THz 以上の電磁波は、エネルギーがとても大きく原子や分子に直接作用することができ、原子の中から電子を弾き飛ばす電離作用(イオン化)を引き起こします。このため、「電離放射線(放射線)」とも呼ばれています。
一方、電波は原子の中から電子を弾き飛ばすほどのエネルギーを持たないため、X線とγ線のような電離作用(イオン化)を引き起こすことはありません。
つまり、電波は人体に影響を与えることはありません。このため、電波を含む3000THz以下の電磁波は「非電離放射線」とも呼ばれています。Wi-FiやGPS、携帯電話などはこの電波と呼ばれる範囲の電磁波を使って通信します。
Wi-Fiの周波数には規格がある
Wi-Fiの周波数には規格があり、以前は IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11a、IEEE802.11n などのような規格名で分類されていました。
しかし、これらの名称は分かりにくいため、現在では Wi-Fi 4 (IEEE802.11n)、Wi-Fi 5 (IEEE802.11ac)、Wi-Fi 6 (IEEE802.11ax) などのような呼称で呼ばれています。
さらに、最新の規格として Wi-Fi 6E (IEEE802.11ax) が登場しました。Wi-Fi 6E は、6GHz 帯の周波数を使用することで、より高速で安定した通信を実現します。
それぞれの規格には、メリットとデメリットがあります。Wi-Fi 5 は高速通信が可能ですが、電波干渉の影響を受けやすいというデメリットがあります。一方、Wi-Fi 6 は、電波干渉に強く、安定した通信が可能です。
現在の主流はWi-Fi6及びWi-Fi6Eです。こなれている物を選ぶならWi-Fi6がおすすめです。 少し予算が取れるようなら、Wi-Fi6Eを選んでおくと良いでしょう。Wi-Fi 6Eは6GHz帯という新しい周波数帯域を使用するため、既存の2.4GHz帯や5GHz帯に比べて電波干渉が少なく、より高速で安定した通信が可能です。
また、既にWi-Fi7という次世代規格も商品化されていますが、普及までにはまだ時間がかかりそうです(2024年現在)。
電波は波長が長いほど隅々まで波及しやすく、短いほど障害物には弱いものの、帯域を太くしてスピードを速くすることができます。
2.4GHz帯は、周波数が低いため、障害物に強く、電波が回り込みやすいのが特徴です。
また、規格が古いため、IoT機器も含めた対応機器が幅広いこともメリットです。
ただし、隣り合う電波と干渉が多いため、使用できるチャネルの空きが少ないのがデメリットです。ポケットWi-Fiなどの機器をユーザーが外から持ち込むと、あっという間に使用できるチャネルが減ってしまいます。ヘッドホンでよく使われるBluetoothや電子レンジのマグネトロンが発するマイクロ波、一部の医療機器などが同じ周波数帯を使っており、非常に混雑している周波数帯です。
それに対して、5GHz帯はチャネル同士が干渉しにくく、多くの機器を高速で接続することができます。波長が短い分、障害物にも弱くなります。
さらに、選択するチャネルによっては、気象レーダーや航空レーダーと干渉して一時的に停波して干渉を回避すること(DFS機能)もあります。
しかし、運用に気を使えば、現在最も使いやすい周波数帯域となっています。
それらの弱点を克服しようと新たに規格化されたのが「Wi-Fi6E」です。
Wi-Fi6Eでは、既出の2.4GHz帯、5GHz帯に加え、6GHz帯を採用しています。
6GHz帯では、480MHz幅の太い帯域を使って、多くのチャネルと大容量通信を実現しています。
より多くのユーザーに快適な環境を提供する認証ソリューション
Wi-Fi認証機能は、元々大企業等で社員とゲストのアクセス権限を区別するために用いられてきました。例えば、社員には社内ネットワークへのアクセスを許可し、ゲストにはインターネットアクセスのみを許可するといったことが可能です。 また、部門ごとにアクセス権限を区別することもできます。例えば、経理部には会計システムへのアクセスを許可し、営業部には顧客管理システムへのアクセスを許可するといったことが可能です。
このようなアクセス制御を実現するために、「RADIUS(ラディウス)」と呼ばれるユーザー認証プロトコルが用いられてきました。
RADIUSでは「IEEE802.1X/EAP」というプロトコルを用いて、ユ-ザ名/パスワ-ドでユーザー認証を行い、ユーザーごとに異なる暗号キ-を配布します。ユーザーごとに異なる暗号キーを配布することで、仮に一人のユーザーのパスワードが漏洩した場合でも、他のユーザーの情報は保護され、セキュリティを強化することができます。 また、MACアドレス認証や期限付きの電子証明書、ワンタイムパスワードを利用することも可能です。
これらの認証機能を公共施設やホテルなどのフリーWi-Fiに採用したものがフリーWi-Fi向け認証アプライアンスです。
これらのアプライアンスはRADIUSのように強固なセキュリティ機能を主な目的とするのではなく、不特定多数のユーザーが公共サービス内で迷惑な振る舞いをしてインフラを独占するなどの行為を防ぐためのものです。
さらに、利用者の属性を把握することで、マーケティングに活用したり、利用規約への同意を求めることで、トラブルを防止したり、アクセス制限をかけることで、特定のサイトへのアクセスを遮断したりすることもできます。
当社が取り扱う「POPCHAT」とは?
POPCHATは公衆Wi-Fiにおいて、Wi-Fi利用者の認証とセキュリティ管理を行うアプライアンスです。 顧客である大手のホテル様では、POPCHATを導入することで、お客様の利便性を向上させるとともに、セキュリティ対策を強化することに成功しました。
POPCHATの主な機能
- 多様な認証方式と制限・制約の設定: メールアドレス、SMS、SNSアカウントなど、様々な方法でWi-Fi利用者を認証できます。長時間の利用や帯域、セッションの多いデバイスなどを個別に制限したり切断したりできます。
- ネットワークのセキュリティ強化: 不正アクセスや過負荷通信を検知・遮断し、Wi-Fiネットワークの安全を守ります。
- 利用状況分析: 利用者の属性やアクセス履歴などを収集・分析し、マーケティングやサービス改善に活用できます。
- 柔軟な運用: 接続時間制限、アンケート配信、リモートワーク用ID発行など、様々な機能でWi-Fi運用をカスタマイズできます。接続IDをカードにして、あらかじめご購入いただくプリペイド接続サービスも構築することが可能です。
導入・運用は設計段階から我々のように経験値のあるシステムインテグレーターの関わりが重要です。 お客様のニーズに合わせたシステム設計、導入・設定のサポート、運用・保守のサポート、トラブルシューティングなど、あらゆる面でサポートいたしますので、安心して導入いただけます。
快適なインターネット接続は、もはや当たり前のサービスです
多くのゲストが訪問する飲食店や公共施設では、インターネット接続はもはや当たり前の顧客サービスとなっています。特にインバウンドが当たり前になった今日では、そういったサービスが充実していないと利用者が減ってしまう施設でさえあります。
フリーWi-Fiを提供していないことで、お客様の不満が高まり、リピーター獲得に影響する可能性があります。また、セキュリティ対策が不十分なWi-Fiを提供することで、お客様の個人情報が漏洩し、企業の信頼を失墜させるリスクがあります。
このようなサービスを構築するためには、ネットワークを構築する知識はもちろんのこと、様々な付帯サービスも絡めたトータルITサービスのコンサルティングが必要です。例えば、デジタルサイネージと連携することで、お客様への情報発信を強化し、顧客満足度向上につなげることができます。また、スマホアプリと連携することで、お客様とのエンゲージメントを高め、リピーター獲得を促進することができます。
私たちクアッドコンピテンスは、お客様のITサービスをトータルで設計し、お客様の環境に合わせたより使いやすい設備をご提案しています。
Wi-Fi環境の構築やITサービスに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください
Googleニュースアプリで最新情報をゲット!
Quad CompetenceのブログはGoogleニュースからご覧いただけます。
Googleニュースで当サイトのフォローをしていただければ、最新情報のチェックが可能です。
Googleニュース又はGoogleニュースアプリ(Android/iOS)の上部検索窓から「Quad Competence」と検索してフォローいただくと、最新ニュースが配信されます(左上に表示)。Googleアカウントをお持ちの方は、ぜひよろしくお願いします!