【片づけのコツは心のコントロール】仕事にも役立つ!片づけメソッド

片付けのメソッド

日頃、業務に追われていて、常に机やキャビネットが散らかっているという方は多いのではないでしょうか?

私は以前から、何でも余白があって、スッキリしていないと落ち着かない性分です。
デジタルデバイスに至っても、デスクトップやスマートフォンのデフォルト画面に至るまで、画面にほとんど余分なアイコンを表示していません。

私の生活は、日頃から「シンプル」、「判断しやすい」を心がけることで、私はできるだけ余計なストレスを減らすことにしています。

整理すると集中とスピードが生まれ、ゆとりが生まれる

まず、確実に言える結論から。

モノをシンプルに分かりやすく整理することで、余計なイライラが解消し、毎日にゆとりが生まれます。

人生の時間は私達が想像しているよりも、ずっと短く、あっという間に過ぎ去ります。
たとえば、「わが子と生涯で一緒に過ごす時間」について、以前テレビ番組で関西大学社会学部教授の保田時男先生が詳しく解説されていました。

親子で過ごせる時間は意外と短い
親子で過ごせる時間は意外と短い

平均して、母親が生涯わが子と一緒に過ごせる時間は、約7年6ヶ月(約65,700時間)、父親で約3年4ヶ月(約29,200時間)とのこと。

幼稚園に入園した時点で18%、小学校卒業の時点では55%も経過し、高校を卒業してお子さんが親元を離れるころには、もう27%しか残っていません。

このように、あっという間に過ぎ去る人生の時間を、できるだけ自分の好きなことに消費するのと、ストレスを我慢しながら遣うのと、どちらの方が有用であるといえるでしょうか?

私は少しでも時間の質を高めるためにできることとは、「行動すること」だと考えています。
では、「行動する」とは何でしょう?

物事には「知ってる」「できる」「やってる」の3段階があります。
「行動する」とは、この「知ってる」の段階のものをそのままにせず、「できる」、「やってる」へシフトさせることだと考えています。

行動力を高めるプロセス
行動力を高めるプロセス

もしもあなたの周囲に、「あの人は好きなことで生活できていてうらやましい」と感じる方がいらっしゃったら、その方の行動をよく見てください。

行動の質が高いかどうかは別として、恐らく、「知ってる」から「やってる」にシフトするスピードが速いはずです。

片づけは行動力を高め、時間を節約する

「明日のお弁当のために…」「明日の仕事のために…」など、皆さんは少なからず、未来の出来事のために現在の時間を消費することがあるかと思います。

一見、大変だと思えても、この時間消費が翌朝のお弁当を素早くスムーズに作れるようにしたり、翌日の仕事の効率を上げたりと、時間を節約することに繋がっているはずです。

準備をすること、片づけをすることは、共に目的に目を向けることです。
なぜなら、準備も片づけも目的に応じて物事を取りまとめ、次のアクションを効率的にするものだからです。

探しもので大切な時間を浪費しない
探しもので大切な時間を浪費しない

また、片づけや準備をしておくことで、探しものをしている時間が削減できるのもメリットです。
探しものは人生の多くの時間を浪費します。

たとえば、1日に20分探しものをすると、単純計算で1年間に約5日間を探しものに使っているという結果が出ます。

常に物が整理整頓され、定位置が決まっていれば、このような無意味な時間を消費せずに済むのではないでしょうか。

「捨てる」「処分する」に罪悪感を持たない

「もったいない」⇒「物は大切にする」⇒「だから捨てない」
私たちはいつしか大人たちから、まるでこれが人生の美徳であるかのように教えられてきました。

捨てることはもったいなくない
処分はもったいなくない

しかし、そもそも、思考の発端である「もったいない」の真意を考えてみましょう。

私は真に物を大切にするのであれば、必要なものを選択してそれを使いこなす方が賢いと考えます。

だから使わないものは思い切って処分します。処分にも色々な方法がありますから、何もゴミに捨てなくても、知人に譲ったり、フリマや中古店で販売する方法もあります。

「あなたにとっての不要」は「他人にとっての必要」である場合もあります。

私はあまり人から物を頂くことを好みません。
自分が必要だと考えていない物を頂いても、きっと断捨離してしまうからです。それこそ、相手の好意を無下にすることだと感じてしまうからです。

余白は想像力を高め、未来を呼び込む

選択と集中は、スペースに余白を生みます。
余白が生まれれば、その余白を他の目的のために使うことができます。

選択と集中はビジネスにも有効
選択と集中はビジネスにも有効

ビジネスでも選択と集中によって復活した、多くの企業が存在します。

ターゲットを明確にし、プロダクトを絞って新しい分野を確立したアップルや、赤字体質から復活したソニーのテレビ事業など、有名な事例は数多く存在します。

余白の効果については、デザインでもよく活用されています。
余白は心を整える効果があり、うまく使いこなすことで安定したレイアウトを作ることができるのです。詳しくはこちらの記事を御覧ください。

余白は想像力を掻き立てるので、何か新しいことに取り組むアイデアが生まれてくることもあります。

逆に、生活空間に物があふれていると、人生の流れが悪くなります。物には過去の記憶や感情がこもっていますから、未来への想像力が生まれる余白を奪ってしまうのです。

あなたの限りある時間やスペースを、新しい目的に置き換えていくことで、より高いパフォーマンスを生み出すことが可能になるかもしれません。

終わったモノにとらわれない

読むのを途中でやめてしまった本や、買ったけど着用していない洋服や靴など、手放せないものが多くあるのは、サンクコストにとらわれてしまっているからです。

サンクコストとは、既に支払いが済んでいて、もはや回収ができない費用のことを言います。
「もったいない」という思いは、こういった既にどうすることもできない費用に対して思い描いている場合が多いのです。

むしろ、こういった無駄なものにスペースを取られていることで、もっと有用な物を受け入れることができないといったデメリットが発生しています。

サンクコストにとらわれることは、目に見えるものだけではなく、目には見えない心の中にもよくあることです。

過去と他人は変えられない

この言葉を、私は20代後半ぐらいから常に意識しています。
ここで言う「過去」とは、現在は活用していないが、ずっと捨てずにいる物を指します。

既に不要となっている過去に依存していても、何も前には進みません。
これは物に限らず、思い出や人間関係においても言えることではないかと思います。

いま、ここ、自分から未来を見る
いま、ここ、自分から未来を見る

他人も過去も変えることができないのであれば、変えられるのは「いま、ここ、自分」です。

未来はいま、ここでスタートしなければ何も変わりません。

誰しも、失敗のない完璧な人生などありません。

失敗は人間を臆病にしますから、私達は常に臆病になる要因を積み重ねているようなものです。

だからこそ、過去の遺物に依存せず、今ここにいる自分にきちんとフォーカスし、今この瞬間から行動を積み上げて未来を作っていくことが重要だと考えています。

自分は「できる」を体感することが大切

多くの方は、プラス面よりもマイナス面の方に意識が向くことが多いと言われています。
人間にはもともと「安心・安全」の欲求があり、本能的に変化を嫌います。

つまり、人間にとって、マイナス思考は自身を守るために備わった本能だと言えます。

自己肯定感の低さがコンプレックスを生む
自己肯定感の低さがコンプレックスを生む

たとえば、誰にでもとても笑顔が素敵な方が、お顔のあまり目立たないホクロ一つのことを、コンプレックスと感じてしまうことがあります。

部屋が散らかっていることをコンプレックスと感じてしまう方の多くも、実際には他人より優れたものを持っているはずなんです。

自己効力感を高める方法の一つとして、小さな目標を立て、少しずつ達成していくといった方法があります。

これは片づけにも活用することができます。

まず、自分がコントロールできる小さな空間から片づけして余白を作ってみましょう。

まずは自分がコントロールできる場所から
まずは自分がコントロールできる場所から

たとえば、自分のデスクがないという方は、小さくてもいいので自分が好きなことをするためのデスクを設けることを推奨します。

ここに家族や同居人が入り込めない空間を作り、そこを徹底的に効率化することから始めます。

主婦(又は主夫)の方なら、キッチンや冷蔵庫をそういった空間にすると良いでしょう。
まずは、特別パワーを使わなくても、毎日コツコツとクリンナップできる小さな空間を作り上げましょう。

等身大の自分と向き合う

よく、「ダイエットしたい」という方が、「ご飯の大盛りがやめられない」とか「甘いものは別腹」など、ご自分が抱いている欲求とは別の行動をとってしまうことがあります。

このときに、「自分は意志が弱い」と責めてしまうこともあるでしょう。
しかし、その本質は別のところにあります。

たとえば、部屋が散らかっている人は、既に物で溢れかえっているのにも関わらず、さらに物を買い足し、それがホコリをかぶったまま…ということも珍しくありません。

お金がないからといって、毎週ロトを大量に買い続ける人、パチンコや競馬に投資する人がいらっしゃいます。

果たして、お金がないのはギャンブルに勝てないからでしょうか?

よく考えてみてください。

満たされない気持ちをモノの上書きで埋めることはできません。
埋まらないから、また次から次へと手を出してしまうわけです。

本心と向き合わない限り、行動と欲求が一致することはありません。

本当にあなたが欲しいものはそれでしょうか?
手頃なモノで代替してしまおうと考えていないでしょうか?

自分の中の満たされない本質的な欲求を突き止めることで、本当に必要なジョブを見つけ出すことができるはずです。

「キレイ」を続けられる片づけの法則

最後に、ここまでのことをまとめます。
私が推奨するキレイを続けられる片づけの法則とは次の通りです。

役目を終えたものは躊躇なく処分又はリユースする

役目を終えたモノにいつまでも依存せず、思い切って処分すること。
サンクコストにとらわれず、できた余白に未来に役立つものをアサインしていきましょう。

アイテム数を増やさない。買うなら捨てる

満たされない欲求をモノの上書きで埋めようとしないことです。
もし、新しい物を買うのなら、他の物をひとつ手放しましょう。

物は用途に応じてカテゴライズし、使用する場所の近くに置く

作業をしようとした際に、必要なアイテムがあちらこちらにあると面倒と感じてしまいます。
片づけるのが億劫になる原因の一つもここにあります。
アイテムを使用するシーンを想像し、同じ目的の物をカテゴライズし、一箇所に収納しておくのがコツです。

片づけ・取り出しは2工程以内でできるようにする

私の経験上、片づけや取り出しに2工程以上掛かってしまうと、元にしまうのが億劫になってしまいがちです。物を厳重に収納してしまうのは、丁寧な日本人の悪い癖でもあります。

たとえば、食器棚をオープンラックにしたり、スタッキングシェルフに整理ボックスで物を分類して入れたりすれば、開け閉めの工程が削減できるだけでなく、美しくカテゴライズすることもできます。

 また、データをストレージに保存する際にも、よくマトリョーシカ人形のように複雑な階層を作ってしまう方が見受けられます。

選択肢はできるだけ少なく、細かく分けたい場合はタグを活用することをお勧めします。

できた余白は埋めようとせず、余白状態をキープする

机やテーブルの上、シンクの周り、バスルームの中など、できるだけ表面に物を置かないことです。フックや突っ張り棒、マグネットなどで吊り下げたり、透明の整理ボックスなどに収納します。

そして、出来上がった余白には、再び物を置かないように心がけてください。
作業時に一旦使うだけで、作業が終わったら必ず元の場所に戻すを心がけましょう。

とにかく無理をせず「チルく」いくこと

続けられないことを無理にやろうとしても、習慣化しません。そして、習慣化しないことは達成できません。できるだけ肩の力を抜いて、日常的にできるようにルーティン化していきましょう。

以下はそれぞれのことに参考になるような過去記事です。ぜひ、あわせて御覧ください。

皆が余白を持てば、未来は変わる

「片づけ」という習慣は、きっと皆さんのプライベートだけでなく、ビジネスにも大いに役立つはずです。

常に、心にも表面にも「余白を持つ」ことを心がけていただくことで、これまでは見えなかった様々なことが見えてくるようになります。

ふと見上げた空の美しさ、毎日通勤する歩道に咲いた一輪の花、ほのかに香る季節の香り。
この世界は、すべてものが調和して成り立っているのだということに気がつくはずです。

きっと誰もが、小学校の頃に先生から習いました。
人として本当に大切なこととは、自分以外の誰かに思いやりを持つこと。言い換えれば、自分事以外にも興味を持つことです。

いま、自分がこれをしてあげたら、他の誰かにほんの少しの幸福が訪れるかもしれない。
いま、自分がこれをしたことで、他の誰かに不幸が訪れるかもしれない。

私たちは敷き詰められた空間や時間に心を奪われ、そんな目の前の未来のことでさえも、想像できなくなっています。過度な正確さの追求は、時に人の心を支配してしまうのです。

一人ひとりが心に余白を持って、もっと周囲に目を向けることができれば、きっと多くの揉め事や事件・事故は減っていくのではないでしょうか?

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▼略歴

  • 学生時代には経営・財務の分野を学び、建設・不動産業界で経理部に在席。
  • 家電メーカーにて直営店舗の運営、マーチャンダイザーを経験。PCのBTOビジネス推進やホームネットワークの普及推進、デジタル家電活用のセミナー講師、直営の免税店を経験。
    同時に、グループ企業のWEBマスターとして、ポータルサイト、eコマースサイトの制作・運営、情報セキュリティマネジメント、ナレッジマネジメントを推進。
  • 家電量販店にて情報部門リーダー、都心店舗の店長を経験。
    その後、店舗開発部で新店舗出店時のレイアウト設計やスタッフの育成、出店準備、VMDの企画・制作などを歴任。
  • システムインテグレーターとして、手術室及び血管造影室の画像・映像配信システムの開発・設計、エンジニアリングを担当。さらに、遠隔手術支援システムの企画・開発を担当し、専門誌へ医師の偏在問題に関する論文を寄稿。
    また、医療向けシステムやフェリーの設備を安全にリモートメンテナンスするソリューションを開発・運用。
    その後、会社のリブランディングプロジェクトへの参画、デジタルマーケティング組織の立ち上げ、メディカル組織のマネジメントを経験。
  • 論文 医師偏在の課題と向き合う遠隔手術支援ソリューション(CiNiiで検索
  • 論文 手術室の生産性向上に貢献する医療映像ソリューション(CiNiiで検索
  • 現在、企業向けにIT技術者育成セミナー(ネットワーク/ウェブデザイン等)を主催しております。