最近、米フェイスブック社のCEO、マーク・ザッカーバーグ氏が社名を”メタ”に変更するなど、「メタバース」というワードが話題になっています。次から次へと生まれてくる新しいワード。「もうおじさんはついていけません!」という方に、このメタバースが将来どのようにビジネスとして普及してくるのかを予測してみたいと思います。
参考:NHKニュース「米フェイスブック 社名を「メタ」に変更 仮想空間の開発強化へ」
まず基本的な知識から
早速ですが、まず「メタバース」とは、3次元世界や仮想空間のことを指します。古代ギリシャ語の「超越(meta)」に、「(世界)universe」を組み合わせた造語です。
具体的なサービスでは、「マインクラフト」とか「あつまれどうぶつの森」なんかがイメージに親しいと思います。
少し前の世代では、「セカンドライフ」とかPS3に付いていた「PlayStation Home」なんかがありました。
これらのサービスにログインしたユーザーは、メタバース内でアバターを操作して他のユーザーとコミュニケーションを取ったり、一緒になって敵を倒したり、仮想通貨となる「アイテム」を揃えたりするといったことを楽しみます。
では、以前から存在するこの メタバースが、なぜ今になって話題になっているのでしょうか?
ブロックチェーン技術で収益化
以前、セカンドライフでもリアルなお店が出店して経済活動を行うようなことがありましたが、正直、リアルなお店をそのままバーチャルにしただけでは面白みに欠けてしまいます。
やはりせっかくの仮想空間ですから、手に入れられるアイテムもコンテンツとか仮想性の高いものが好まれます。
そこでその仮想アイテムを安全に、且つ収益性のある独自の物にするのが「NFT(Non-Fungible Token)です。
NFTを直訳すると、「非代替制トークン」となるのですが、この他の物には置き換えが不可能なトークンを仮想アイテムに追加するのがNFTです。
これには既にビットコインを始めとする フィンテック で活用が進んでいる ブロックチェーン技術 が使われています。NFTの売買は既に世界中で行われていて、最大手のNFTマーケットプレイスである「OpenSea」では、2021年8月の流通総額が3,500億円を超えると発表されています。
近年では、デジタルアートの収益化に課題を持っていた個人のアーティスト達が、このNFTを使ってデジタルアートの価値を高めることに成功しています。
日本はコンテンツ王国であり、もっと世界からの評価を収益化すべきです。私はNFTやメタバースがその経済活動の大きなサポートとなると考えています。
たとえば、もしも音楽がNFTで交換された場合、以下のような経済活動の変化が起こります。
※図は細かな流れは割愛し、シンプルにしていることをあらかじめご容赦ください。

これまでは中央にある音楽出版社へプロとして曲を提供し、価格的にも統制された形で音楽がリスナーへ配信されていたわけですが、個人のアマチュアミュージシャンがNFTを使えば、自分の曲がどこまで行き渡ったとしても、曲の価値は交換する人々の間で適正な値付けがされていくようになります。
また、このブロックチェーン技術では、取引データが常に複数のコンピューターに共有されているため、改ざんが非常に難しく、データの信ぴょう性も担保することができるのです。
ビットコイン同様に、ヒエラルキー 破壊が盛んになっていくでしょう。この仕組で親御さんのサポートがあれば、お子さんがアーティストデビューすることも可能になるからです。
つまり、シンプルに言えば、オリジナルデータに資産性を持たせられる技術がNFTというわけです。この「データの資産性」が、メタバースに大きな価値をもたらすと考えられています。
現在活用されているNFTでユーザーが強く感じているメリットは、NFT化したアイテムなどを自分のウォレットで保管して、いつでも売却できるといった点です。
ちなみに、NFTを使った音楽配信では「.mura」や「The NFT Records」、アートやトレカ、スポーツ関連で有名な「OpenSea」などが有名です。
さらに広がるメタバースの可能性
以前から注目されている AR(拡張現実)という技術がありますが、メタバースではゲーム業界以外にもこのAR技術を使ったビジネスに大きな注目が集まっています。
たとえば、前述のフェイスブックでは「orizon Workroom」から参加できるバーチャル会議を提供していますし、Microsoftではメタバース用の VR ヘッドセットや AR メガネの開発、MR 技術を用いた「HoloLens」、VR アプリの開発などにも力を入れています。
昨今ではこれらの技術的な境界が分かりにくくなっており、これらを総称して XR と呼ぶようになってきています。
NFT のビジネス活用という意味では、イタリアのグッチがロブロックスとのコラボでデジタル限定のアクセサリーコレクションを販売したり、コカ・コーラとクリニークがメタバース参入の第一歩としてデジタル限定アイテムの販売を実施するなどしている。
将来は、様々な展示会やショールームなどが メタバース & AR で提供されていく未来が見えてきます。きっと、展示会でよく配られるノベルティをデジタル化し、NFT を使って価値付けを行うようなこともできるかもしれません。
また、アパレル分野でも、メタバース 技術の発展で触感が実現すれば、無人で試着ができたり、自分の考えたファッションデザインをNFT で価値付けし、多くのユーザーに試着してもらったりなど、想像するとキリがないくらいアイデアが思い浮かびますね。
参考:NHKニュースの記事「テレワークに新たな技術「メタバース」活用の動き 米IT大手」
「Axie Infinity(アクシーインフィニティ)」というゲームでは、通常のゲームのようなアイテム課金にのみ価値を持たせるのではなく、空想の生き物「アクシー」を育て、繁殖させ、戦闘させ、そして強くなってから取引することで収益を得ることができるようになっています。初期投資が20万円と高額ですが、アクシーを借りることもできるため、今静かなブームとなっています。
コロナでテレワークが進んでいる昨今ですが、これからはウェブで目の前にバーチャルのアーティストや仮想キャラが出現し、相手のオリジナルコンテンツをその場で購入したり、ライブイベントや旅行にバーチャルで参加するなどの未来が実現することでしょう。
バーチャルならば、ユーザーが現在体験している環境から次の環境へ瞬時に移動できるわけですから、顧客へ様々な体験を提供する我々としても、非常にメリットのある技術なのではないかと思います。
メタバースは、インターネットの新たな進化のステージで、現実世界からシームレスに入り込むことができる仮想空間では、あらゆる経済活動が可能になる未来が描かれています。
実際、メタバースに本腰を入れたマーク・ザッカーバーグ氏自身も、メタバース製品が理想通りになるまでには、開発に10年から15年が必要だと言っています。
くれぐれも、メタバースが個人情報の不正利活用大会のサイトとならないよう願うばかりです。
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