※この記事のアイキャッチ画像は、DALL·Eで生成しました。
最近のビジネスは何かと言えば、「IT、デジタル…」。
さらにそこへ、映像や音に関する技術まで絡んできて、頭から煙が出ているという方も少なくないと思います。
また、従来の映像や音の知識はあるのだけど、そこにITが絡んで来ると「もうギブアップ!」という方も多いのではないでしょうか?
この「システムデザイン」というカテゴリーは、B2C・B2B各分野でITやエレクトロニクスを活用したシステムに長年関わってきた私から、初級・中級者へ向けて発信するエレクトロニクスやIT、カメラなどに関する基礎知識を簡潔にまとめたブログです。
映像・音響、カメラ、ITテクノロジーやネットワークなど、様々な分野の技術について分かりやすく解説していきますので、ご期待ください。
この記事のインデックス
日常のビジネスに必要な”システム”とは何か?
”システム”と一言で申し上げても、様々な分野で多種多様なシステムが動いているのが現状です。
日常のビジネスに必要なシステムとは、その中でも映像や音とITテクノロジーを組み合わせ、情報共有やコミュニケーションを円滑にするシステムのことを指します。
たとえば、ビジネスマンにとって最も身近なものが、会議室やミーティングエリアで使っているシステムです。
これらの場所では、主にテレビ会議システムやWEB会議システムがあり、プレゼンテーションを全員が共有するための大型ディスプレイやプロジェクター、リモートの相手にクリアーな音声を届けるためのマイクシステム、全員が音をクリアーに聴き取るためのスピーカーシステムなどがあると思います。
また、ミーティングで使用する資料や映像・画像は、社内に構築したネットワークや契約しているクラウドシステムなどを通じて、双方に送り届けられます。
今ではとても自然な日常と感じている方が多いと思いますが、これらのシステムにはこれまでいくつもの段階があり、その都度様々なテクノロジーが生まれては消え、リプレイスされてきました。
今後は Web3.0(分散型のインターネット環境) が広がるに連れ、金融のバーチャル化も進み、VRを使ったメタバースなどのテクノロジーが普及していくことでしょう。
しかし、未来のシステムも現在のシステムも、これまでリプレイスされてきた技術の結晶であり、これらの品質を高めようと思うなら、それらのレガシーテクノロジーについてもある程度の基礎知識を持っておく必要があるのです。
映像テクノロジーの基礎
昭和の時代から映像機器を触ってきた方々なら、アナログの時代からこれらのテクノロジーの基礎を積み上げてきた方も多く、そのリプレイスの流れまでご存知の方も多いかと思います。
平成以降に生まれた方々にとって、これらのテクノロジーは既に日常に溶け込んだ存在であり、特に基礎を習得する必要もなかったのかもしれません。
しかし、美味しいお寿司が始めからあの形であったわけではないように、これらのテクノロジーも一定のスキルを持つ人々がアセンブルすることによって成り立っているのです。
映像信号を受信機へ送り届ける走査
映像をテレビに表示させる際には、送信側から送った映像信号を受信側のディスプレイで描画する必要があります。これを「走査」と言います。
たとえば、ビデオデッキやDVDなどからテレビに映像を映す場合、画像走査という方法を用います。
この画像走査という方式は、一枚の画像を横長に細かく分割します。
そして分割したパーツを上から下へ一つずつ送り、受信側で再構築して画面に表示させるという仕組みです。
この走査方式には「インターレース」と「プログレッシブ」という2つの方式があります。
まず、アナログ方式では「インターレース」という方式を採用しています。
インターレースとは、走査線を一本おきに奇数・偶数に分けて伝送して一枚の画像を二回に分けて表示させる方式です。
従来の日本の地上アナログ放送はこの方式を採用していました(NTSC方式)。
人間の目には奇数の走査線が残像として残っているため、一枚の画のように見えるという目の錯覚を利用しています。
そのため、昔テレビの画面を写真に撮った場合、画面がゼブラ模様に写ったという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一方、デジタルでは「プログレッシブ」という操作方式を採用しています。
プログレッシブでは、一枚の画像を一度に伝送します。
この1枚の画像のことをフレームと呼び、1秒間に何枚の画像が表視されるかの指標を「フレームレート」と呼びます。
しかし、激しい映像やスポーツなどの動きの速い映像では、インターレース方式の映像の方がより滑らかさを感じることができます。
そのため、動きの速い映像をプログレッシブ方式で伝送する場合、フレームレートを大きくして画像を滑らかにする技術が採用されています。
逆にフレームレートが低いと、表示される画像枚数(コマ数)が少ないということになるので、映像がカクついて見えます。
このフレームレートを1秒あたりどれだけリフレッシュするかという値を「リフレッシュレート」と言います。これについては以下の「映像信号の周波数」の所で詳しく説明します。
色を表示する方法
映像を表示する際には、もうひとつ色の情報が必要です。
この表現方法として一般的に用いられているのが「RGB」です。
RGBは、赤 (Red)、緑 (Green)、青 (Blue)の三つの原色を混ぜて幅広い色を再現します。これらの色は混ぜれば混ぜるほど明るい色へと変化していくので「加法混色」「加法混合」と呼ばれています。
RGBはブラウン管テレビの時代から始まり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイにも使われている色の表現方法のひとつです
一般的なディスプレイでは、一つのピクセル(画素)に24ビットまでの情報を使用しており、8ビット分を赤・緑・青にそれぞれ割り当てることで、各色相ごとに256通りの明度や輝度を設定することができています。
つまり、256色×3乗なので、16,777,216通りの明度や輝度を設定することができるというわけです。
このRGBカラーについて、厳密な色合いをどのように定義するかは明確ではありませんが、この三原色を測色学的に厳密に定量化した「sRGB」や「AdobeRGB」などのさまざまな色空間(RGB色空間)が存在します。
アスペクト比(画面の縦横比)
画面の縦横比率をアスペクト比といいます。 アナログ時代やデジタル初期の家庭用テレビのアスペクト比は、一般的な4:3(1.33:1)とワイドTVの16:9(1.78:1)の2つの規格が存在します。
そのため、DVD側に記録されている映像も4:3フォーマットのものと16:9フォーマットのものがあります。Blu-rayはデジタル放送の普及時に登場したため、最初から16:9のフォーマットが主流で使われています。
画面サイズ(インチ数)は対角線の長さで決められています。そのため、16:9では両サイド部分が入る分同じインチ数でも縦が短く、小さな画面に感じることがあります。
この図のように、たとえば4:3で21インチのディスプレイと高さが同じくらいに感じる16:9のディスプレイは26インチとなる。
さらに、PCでは16:10のアスペクト比が多く、シネマでは2.35:1(シネマスコープ)のアスペクト比が採用されている。最近のスマートフォンでは、21:9のアスペクト比を採用する機種も発売されている。特にプロジェクター・スクリーンを選ぶ際には、これらの知識が必要となる。
映像が鮮明かどうかの基準「解像度」
映像が鮮明に映し出されているかどうかを判断する基準の一つに、「解像度」というものがあります。ディスプレイの画素数=「点の数」を表す言葉として用いられています。
ディスプレイにはドットや画素(ピクセル)と呼ばれる小さな点が縦横に並び、それぞれを点灯させることで画面を表示させるようになっています。
ドットが画面上にどれくらい並んでいるかを示すのが「解像度」となり、この数が多ければ多いほど、精細な映像表現が可能となります。
また、印刷物や画像データの精細さを示す意味でも、解像度という言葉が使われています。
映像における解像度は「画面上のドットの総数(絶対解像度)」を表すのに対し、画像データや印刷などにおける解像度は「1インチにおけるドット(ピクセル)の数(相対解像度)」を表します。
1インチあたりのドットの数は、dpi(ドットパーインチ)またはppi(ピクセルパーインチ)という単位で示されます。
たとえば、解像度300dpiの画像であれば、1インチあたりに300個のドット(ピクセル)が並んでいることになります。
つまり、映像のように総数で表すと、300×300=90,000ドットとなるのです。
映像信号の周波数
映像信号では、前述した色の情報であるR(赤)、G(緑)、B(青)以外に、H(水平同期信号)、V(垂直同期信号)という要素が送受信されます。
水平同期信号(水平同期周波数)とは、ディスプレイが1秒間に描画するライン(横線)の数のことで、ディスプレイの描画速度を表します。
垂直同期信号(垂直同期周波数)とは、ディスプレイが1秒間に画面を書き換える回数で、やはりディスプレイの描画速度を表します。
垂直同期周波数は、別名「リフレッシュレート」と呼ばれており、たとえば、リフレッシュレート(垂直同期周波数)60Hzのディスプレイは、1秒間に60回画面を再描画します。
この値が大きいほど、より滑らかな映像表現が可能となります。
日本が採用しているアナログ映像規格(NTSC)では、水平同期約15.75kHz、垂直同期約59.9Hzと決められています。
それに対し、PC等やデジタル信号の規格では水平同期約20〜100kHz、垂直同期約50〜120Hzと高周波であり、最近は240Hzなど、より動きが滑らかで高品質な映像を表現できるようになっています。
映像フォーマットごとの比較(映像信号の規格別)
以下は代表的な映像フォーマットを一覧表にした物です。
映像を「ビデオ系規格」、「PC系規格」に分類し、それぞれのフォーマットが採用する表示解像度、縦横比、描画方式、伝送方式、ケーブル形状という項目で分類しています。
代表的な映像フォーマットだけでもこれだけの種類があり、且つケーブル形状に至っては同じフォーマットの映像であっても機器によって形状が異なることがあります。
ビデオ系規格
解像度 | 縦横比 | 描画方式 | 伝送方式 | ケーブル形状 | |
---|---|---|---|---|---|
8K | 7680 | 21:9 16:9 | プログレッシブ | デジタル | 3G/6G/12G-SDI HDMI |
4K | 3840 | 21:9 16:9 | プログレッシブ | デジタル | 3G/6G/12G-SDI HDMI |
フルHD(プログレッシブ) | 1080 | 21:9 16:9 | プログレッシブ | デジタル | HD/3G-SDI HDMI コンポーネント D5 |
フルHD(インターレース) | 1080 | 16:9 | インターレース | デジタル | HD-SDI HDMI コンポーネント D3 |
HD | 720 | 4:3 | プログレッシブ インターレース | デジタル | SD-SDI コンポーネント D4 |
SD(プログレッシブ) | 480 | 4:3 | プログレッシブ | デジタル | SD-SDI コンポーネント D2 |
SD(インターレース) | 480 | 4:3 | インターレース | アナログ | SD-SDI コンポーネント D1 S-VIDEO コンポジット |
PC系規格
解像度 | 縦横比 | 描画方式 | 伝送方式 | ケーブル形状 | |
---|---|---|---|---|---|
8K | 7680×4320 | 16:9 | プログレッシブ | デジタル | HDMI DisplayPort DVI-D DVI-I |
4K | 3840×2160 | 16:9 | プログレッシブ | デジタル | HDMI DisplayPort DVI-D DVI-I |
WUXGA | 1920×1200 | 16:10 | プログレッシブ | デジタル | HDMI DisplayPort DVI-D DVI-I |
FHD | 1920×1080 | 16:9 | プログレッシブ | デジタル | HDMI DisplayPort DVI-D DVI-I |
WXGA | 1280×800 | 16:10 | プログレッシブ | アナログ | D-SUB DVI-I DVI-A |
XGA | 1024×768 | 4:3 | プログレッシブ | アナログ | D-SUB DVI-I DVI-A |
SVGA | 800×600 | 4:3 | プログレッシブ | アナログ | D-SUB DVI-I DVI-A |
VGA | 640×480 | 4:3 | プログレッシブ | アナログ | D-SUB DVI-I DVI-A |
アナログフォーマット
アナログフォーマットでは、主に以下のような形状のケーブルが使用されます。
ピンプラグ型
アナログの映像フォーマットは、昭和生まれの方々なら誰もが一度は見たことがあるオーディオが赤・白、映像が黄色というピンプラグ型のケーブルを使って接続していました。
VHSビデオやベータビデオという家庭用ビデオデッキが登場した時代です。
その後、高画質を謳った「S-VHS」が登場し、同じ写真の左隅にある黒いケーブル(S端子)が加わりました。S端子の”S”はセパレートという意味で、映像信号を輝度(Y)と色(C)の2系統に分ける(Y/C分離)ことで、ノイズが発生しにくく画質劣化を防げるというものでした。
D-SUB型
一方、PC系ではアナログRGBケーブル(D-SUB・15Pin)を採用していました。
今でもこの端子を使うノートPCは多く、訪れた会議室でPCを接続しようとしたらこの端子しか無かったという経験を持つ方も多くいらっしゃるかと思います。
PCは元々、映像をデジタル信号で伝送するため、当時のアナログディスプレイではそれを表示することができませんでした。そのため、デジタル信号をアナログ信号に変換し、この端子で伝送するといった特殊な方法を採用していました。この方式がVGAという規格だったため、「VGAケーブル」と呼ぶこともあります。
そして最後が「コンポーネントケーブル」です。
端子はコンポジット端子と同じ寸法のピンプラグの形状をしており、通常は輝度(Y)が緑、青色の色差(PB/CB)が青、赤色の色差(PR/CR)が赤に着色されていました。
「コンポーネントケーブル」はRGB映像の各色の成分を分離してそれぞれ独立した信号線で伝送することで、すべての信号を統合して扱うコンポジットよりも画質が高いため、プロジェクター等のホームシアター機器や業務用の機材、比較的新しい時代の製品に多く採用されています。
また、コンポーネントケーブルには、日本独自規格の「D端子」というものが存在します。
デジタル放送・録画機器、DVDプレーヤーなどに用いられるアナログ信号用の規格です。
D端子の規格にはD1(480i)、D2(480p)、D3(1080i)、D4(720p)、D5(1080p)がある。
デジタルフォーマット
デジタルフォーマットでは、主に以下のような形状のケーブルが使用されます。
HDMI(High-Definition Multimedia Interface)
最近では家庭用のビデオはほぼHDMI(High-Definition Multimedia Interface)に集約され、PC関係は HDMI か DisplayPort に集約されているといったイメージです。
また、最近ではUSB-Cケーブルで接続できるPCやMacも増えてきています。
HDMIやDVIに関しては、伝送を「TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)」というプロトコルをベースに行っており、さらにHDMIにおいてはオーディオとDRM(Digital rights management)の伝送やビデオ機器などを制御するCEC(Consumer Electronics Control)信号の伝送も行えるようになっています。
このDRMではHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)方式を採用しており、これにはバージョンがあり、4K TVで4K放送を見るためには「HDCP 2.2」に対応している必要があります。
DRMとはデジタルコンテンツを保護する仕組みで、主にDVDやBlu-ray、デジタル放送などで提供される映像を家庭用テレビで視聴する場合に、この仕組を持った者同士でないと再生されないようになっています。業務用のディスプレイにDVDを接続しても映像が再生できなかったという経験を持つ方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
DisplayPort(DP)
一方、DisplayPort(DP)は、各データをネットワークのようにパケットとして統合して扱います。
パケットベースなので、解像度やピクセル深度、フレームレート、オーディオデータ、DRM用データなどの各種データに応じて使用するデータチャンネルを増やすことができるようになっています。
つまり、DPは最初からデータを伝送する規格となっており、USBやイーサネットに親しいイメージなのです。
DisplayPortからHDMIへの変換
上記のように、DisplayPortとHDMIは伝送方式が異なるため、似て非なる者と言えると思います。しかし一方で、用途が似ているために変換して使用したいという方も多いかと思います。
以前のDPは前述の通り、パケット通信のみを伝送することができる規格(左側ロゴ:シングルモード)でした。
しかし、現在(右側ロゴ:デュアルモード)は、HDMIと同じ「TMDS」プロトコルで伝送することができるようになっています。
デュアルモードでは、大げさなICチップの搭載なども必要なく、電圧変換と回路変更程度の簡単な構造で変換することが可能となっています。
これに対応したケーブルを「パッシブケーブル」と言います。
なお、HDMIからDisplayPortへの変換には対応していないので注意が必要です。
逆に、以前のシングルモードの場合、変換には専用のICチップが必要となります。
これに対応したアダプター付きケーブルを「アクティブケーブル」と言います。
専用チップで変換するため、アクティブケーブルでは若干のタイムラグが発生します。
また、アクティブケーブルにはクロックジェネレーターという描画チップが内蔵されています。
「クロックジェネレーター」とは、PCのグラフィックボードからHDMIで映像出力しようとした時に必要となる描画用チップです。それに対し、DPではこれが不要のため搭載されていません。
そのため、もしもこのクロックジェネレーターの搭載数が少ないグラフィックボードにパッシブケーブルを使用してHDMI変換を行う場合、映像が表示されないといったトラブルが起こります。
そのような場面で、あえてアクティブケーブルを使用すれば表示が可能となります。
DVI(Digital Visual Interface)
DVI(Digital Visual Interface)には、デジタル接続のDVI-D、アナログ接続のDVI-A、デジタル/アナログ両対応のDVI-Iという3種類のコネクタがあります。従来のアナログRGBがDVIに進化したようなイメージです。
DVI-A及びDVI-Iのアナログ信号はアナログRGBと互換性があり、ケーブルの片側がD-Subでもう片側がDVI-Iコネクタのケーブルを使うことでアナログ接続が可能です。
現在の主流はデジタル接続のDVI-Dで、シングルリンクとデュアルリンクの2種類があります。
シングルリンクはディスプレイの最大解像度が1920×1200ドット(WUXGA)に限られ、それを超える解像度(2560×1600ドットなど)を表示するにはシングルリンクの2倍の帯域(7.4Gビット/秒以上)を持ったデュアルリンクを使用します。
ただし、デュアルリンクを利用するにはディスプレイ側の入力、PC側の出力、およびケーブルのすべてが、デュアルリンクに対応している必要があります。
多くの場合、家電は「HDMI」、PCは「DisplayPort」「DVI」というイメージが強いと思いますが、最近では海外のPCもHDMIを実装する機種が増えています。
HDMI方式の比較
以下はHDMI方式をバージョンごとに比較した表です。
ウルトラ ハイスピード | プレミアム ハイスピード | ハイスピード | スタンダード | |
---|---|---|---|---|
バージョン | HDMI2.1 | HDMI2.0 | HDMI1.3-1.4 | HDMI1.4まで |
通信速度 | 48Gbps | 18Gbps | 10.2Gbps | 4.95Gbps |
主な解像度 | 3840×2160(4K・120Hz)/7680×4320(8K・30Hz)/DSC圧縮により8K・60Hz/10K・60Hzにも対応 | 3840×2160(4K・60Hz)/5120×2880(5K・30Hz) | 1920×1080(FHD・60Hz)/2560×1440(60Hz)/ 3840×2160(4K・30Hz) | 1080p(1920×1080・60Hz)/2560×1440(60Hz)/3840×2160(30Hz) |
特長 | DynamicHDR対応/VRR対応/拡張ARC対応 | HDR対応/32チャンネルオーディオ転送対応/拡張CEC対応 | ARC対応/3D映像対応/HDMI Ethernet対応も有り | HDMI Ethernet対応も有り |
用途 | 8K映像 | 4K映像 | フルHD映像 | 1080iの映像 |
HDMIケーブルには、 ウルトラハイスピード、プレミアムハイスピード、ハイスピード、スタンダードの4種類があります。
さらに、HDMIにはいろいろなバージョンがあり、バージョンによって対応する機能や解像度・伝送速度などが異なります。バージョンが違っていてもコネクタの形状は同じなので機器への接続自体は可能ですが、特定の追加された機能が使用できないというイメージになります。
デジタルフォーマットでは映像の電気信号ではなく映像のデータを伝送します。
従って、データ量に応じた速度が必要です。このデータ量の単位である「ビットレート」は、解像度が増すごとに大きくなっていきます。
「60Hz」や「30Hz」と表記されている数値は「リフレッシュレート」です。
リフレッシュレートとは、1秒間に何回画面を更新するのかを表したもので、数値が大きいほど滑らかな映像になります。
通常のモニターは60Hzが一般的ですが、ゲーミングモニターなどではゲームにリアルタイム性が求められるため144Hzが主流で、更にリフレッシュレートが高い高性能なものもあります。
その他の映像方式
デジタルフォーマットでは、この他にも古くから使用されている方式とそれに準ずる端子形状があります。今では使用されていない物も多いですが、旧型システムのトラブルシューティングやリノベーションの際に出会うことがあるかもしれません。
IEEE1394(i.LINK/FireWire)
「IEEE1394」は、Appleが中心となりソニーなどの家電メーカーから協力を得て規格化された高速シリアルインターフェイス規格です。
デジタルビデオカメラ(DV)やデジタルVTR、外付けのディスクドライブ、イメージスキャナ、AV機器、CATVのセットトップボックスなど、大容量のデータを高速に転送する必要があるデバイスなどで採用されてきました。
高品質な録画ができると共に、コンテンツ保護の要件にも適合できることが強みでした。
最近では、同じくシリアルインターフェースであるUSBがこの規格の代わりを勤めることが多くなってきました。
転送速度は100Mbps(S100)、200Mbps(S200)、400Mbps(S400・FireWire400)、800Mbps(IEEE1394b・FireWire800)が規格化 され、後にUSB2.0よりも高速な3.2Gbps(IEEE1394b・FireWireS3200)が策定されました。
SD-SDI、HD-SDI、3G-SDI、6G-SDI、12G-SDI
SDI(Serial Digital Interface)は、同軸ケーブルとBNCコネクタで機器同士を接続し、非圧縮の映像・音声を伝送することができる規格です。
電気設備工事を行う方々にとっては最もポピュラーな方式と言えますが、一般の方はあまり使用しないため、その他に分類しました。
初期の規格はSD画質(Standard Definition)の転送に使用され、コンポジットビデオ又はコンポーネントビデオの映像信号を伝送することができ「SDI」又は「SD-SDI」と呼ばれていました。
同軸ケーブルの規格によってその伝送距離は異なり、3C(外径5.5mm)、5C(外径7.7mm)、4.5C(外径7.0mm)、6C(外径8.9mm)、7C(外径10.2mm)などの規格が存在する。
HD-SDI(High Definition Serial Digital Interface) は放送用デジタル機器で多く採用されている信号規格です。非圧縮のHD映像を1チャンネルとPCM音声信号を16チャンネル持ち、タイムコードなどのデータを多重して伝送することができます。
また、DVDなどで用いられる1080iや1125i、750pなどの映像信号に対応するものを「HD-SDI」、1080pに対応するのものを「3G-SDI(3Gbps)」、4K画質に対応するものを「6G-SDI(6Gbps)」、「12G-SDI(12Gbps)」などと呼びます。
さらに、2本の同軸ケーブルで同時にHD-SDI伝送を行う「Dual-Link HD-SDI」、4本のケーブルで同時に3G-SDI伝送を行う「Quad-Link 3G-SDI」などの仕様もあります。
ちなみに、4K映像の伝送の際には、「3G-SDI」Dual-Linkで4K30p、Quad-Linkで4K60p、「6G-SDI」で4K30p、2本使用で4K60p、「12G-SDI」で4K60pという組み合わせになります。
そして、8K60pの伝送には「12G-SDI」を4本使用します。
映像テクノロジーの基礎まとめ
このように、映像テクノロジーを使用するためには、多くのフォーマットやそれに伴うルールが存在します。
もしも会社にこういった設備を導入される場合には、やはりプロに任せたほうが無難でしょう。
最初に会議室の例を挙げましたが、映像を使った情報共有やコミュニケーションのシステムには業界ごとに多くのデザインパターンがあります。
また、配信向けのデジタル映像について理解される場合は、これらの映像テクノロジーの説明だけでは不十分なところがあります。ぜひ、合わせて以下の記事を御覧ください。
当社では、その中でもエンターテイメント施設で使用するシステムや商業施設、交通機関で使用するシステム、モニタリングや監視で使用するシステム、手術室・ICU、血管造影室などで使用するシステムの構築経験があります。
エンドユーザーの方はもちろんのこと、それらの提案をクライアントから依頼されてお困りのインテグレーターの方など、様々なお問い合わせをお待ちしております。
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